Silvia Maria Toson

「ねぇ、やっぱり疲れてすぎるんじゃない?」
急に田中先輩が声かけて、びっくりされてしまった。
「あぁ、、、まぁ」
「『まぁ』じゃないよ!ほら、顔色がすごく悪いんだけど?休みを取ったら?」
「いいえいいえ、これぐらい、、、あっ、ちょっと、先輩!」
田中先輩と話すといつもこういう流れ。パソコンを取られて、勝手に何かを探し始めた。
「自由すぎませんか。先輩」
「あぁ、あったあった。これ見て!いいんじゃない?このところ、最近めっちゃ人気だよ」
画面で映ったものは真白のホテルのようなもの。イメージはきれいで景色で海が見えてたしかに心地よさそう。だが、、、
「先輩のお休みのためですか。いいですね」
「『先輩の』じゃなくて、『林くんの』だよ!!」
「お断りさせてください」
「させませーん」
本当に自由すぎる、この人。
「いつがいい?来週?再来週?」
「好きにどうぞ」
「当たり前じゃん」
ため息をつくと諦めた。こういう田中先輩と話すと無駄な時間になってしまうんだから。
「はい、完成~次は新幹線の予約~」
すっごく満足そうだな。まぁ、パソコン持ってこられば、、、
「せっかくの休みなんだから働くのは禁止、ね」
窓から海が見えるから、たしかにいい部屋を予約してくれた、先輩は。新幹線が着いた時も、海を見てそこでボーっとしてしまった。思ったより疲れたなぁ、俺は。らしくない。だが、海を見ると、なんとなく心地よい。静かな水面5で太陽光がピカピカして。宝石のように。どの深く来られるんだろう。結構深く来られそうだな。深く、深く。何も見えないぐらい深く。ゆっくり、ゆっくり落ちると、、、
ドアからコンコンを聞いて夢中から目覚めてしまった。
「お客様、失礼いたします。何が御用7なさいますか」
ゆっくり息を吸って返事した。
「いいえ、大丈夫です」
「かしこまりました。何かありましたら御自由に連絡してください。では、失礼いたしました」