ヴィンテージファッションの利点とは、何でしょうか。

古着は日本において、メジャーなファッション文化となりました。イタリアでもフリーマーケットが開催されるなど、その人気は広がりを見せています。私たちはこれまでのポストで、現在残されている課題について触れてきましたが、今回は今の社会で良い流れだといえる事象について取り上げます。

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ヴィンテージファッションとは古くて価値ある年代のアイテムを指し、これらは長く使えることが出来るよう手間をかけて作られています。前回取り上げたファストファッションとは真逆で、生産数が少なく、希少性が高い洋服が多いため、大量消費を抑えるという点で「ヴィンテージ=サステナブルな選択」であるといえます。

筆者の体験談では、よく訪れるヴィンテージショップがハイブランドのアイテムを取り扱っていることがしばしばありました。環境に配慮した消費行動ができるうえ、高価な洋服が格安で入手できることは、私たち学生にとっては大きなメリットではないでしょうか。

その他のメリットには「搾取的な労働条件を助長しない」ということがあります。前回のポストで、ファストファッションの購入は強制労働を促進する可能性があるとご紹介しました。そのため、古着の購入はファストファッション業界への戦略見直しを示唆するメタファーとなるでしょう。購買力には影響力があることを忘れてはいけません。

では、次にヴィンテージを購入する際の3つの注意点について見ていきましょう。

  1. 直接購入しましょう!

詐欺を防ぐことができるほか、もともと付着していたカビや汚れを目で見て確認することができるため、納得感のある購入につながります。

  1. サイズに注意!

ヴィンテージの衣服は20年以上前のものであり、この間ずっとサイズが変わっているうえ、ほとんどが1点ものです。したがって、常にすべてを試して、自分に合う洋服を選ぶようにしましょう。

  1. 自分の感性で購入しましょう!

ヴィンテージの衣服はカラフルでユニークなことが多いので、他のファストファッション店では見つけることができません。 好きなものを慎重に選び、納得できるショッピングをしましょう。

最後に、ヴィンテージの問題点について考えてみます。

イタリアのヴィンテージ市場は必ずしも健全であるとはいえません。私たちが信頼しているお気に入りのショップは「Humana Vintage」です。適正な価格で、「黄色いビン(Bidoni gialli)」から回収された服に新たな命を与えてくれるからです。

「黄色いビン」は誰でも古着を寄付できる黄色い箱で、貧しい人々に贈られるなどして再販されます。Humana社の取り組みは安全ですが、実は他社の黄色いビンの場合はそうではないかもしれません。あまり知られていませんが、イタリアの法律はこの黄色いビンについて非常に曖昧であるため、残念ながら多くの組織がこれらの洋服を違法に使用しています。

自分が好きなデザインを探すのはファストファッションより難しいかもしれません。しかし、見つけた時の喜びはそれ以上に大きくなります。古着は近年、非常にポピュラーになりました。この良い流れをくんで、少しずつ、私たちが地球に対してできる取り組みについて考え、実行していきましょう。


単語リスト

ヴィンテージvintage
利点りてんadvantages, points in favor
古着ふるぎsecond hand clothing
価値あるかち(ある)precious, valuable
希少性きしょうせいrarity, scarcity
大量消費たいりょうしょうひmass consumption
体験談たいけんだんstory of one’s experience
消費行動しょうひこうどうconsumer behavior
搾取さくしゅexploitation
労働条件ろうどうじょうけんworking conditions
強制労働きょうせいろうどうforced labour
購買力こうばいりょくpurchasing power
詐欺さぎfraud
納得感のあるなっとくかん(のある)convincing, satisfied
1点ものいってんものone of a kind
健全けんぜんhealthy
貧しいまずしいpoor
法律ほうりつlaw
曖昧あいまいvague, ambiguous
組織そしきorganization
違法いほうillegally

参考文献