莫大(ばくだい)寄付(きふ)(きん)に頼らず、どうすれば貧困を減らすことができるのか。これは難しい問題である。単純な答えとしては、チャリティセンターを増やすことである。しかし、特にニューヨークやニューデリーなどの大都市では、多くの慈善(じぜん)団体(だんたい)がスタッフの不足や過密(かみつ)状態(じょうたい)などにすでに直面(ちょくめん)してしまう。さらに、貧しい人々はチャリティーに頼りすぎて、社会の一員として出られず、(きょう)依存(いぞん)関係(かんけい)に陥りがちである。ホームレスの中には、慈善団体に頼れば生活できると思っているため、仕事を探すことすら嫌がる人もいる。また、社会(しゃかい)福祉(ふくし)充実(じゅうじつ)していない国では、貧しい人々は自分の状況を認識せず、自分の生活は改善(かいぜん)できないと思い込んでいることもある 。

世界の貧困状況

2015年に国連は2030年の国連持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals,SDGs) を公布し、総合的な方式で社会、経済と環境の3次元の発展問題を徹底的に解決目指して、持続可能な発展の道に転換した。

その中の一つは貧困問題だ。貧困は人類の発展過程で長期的に直面している現実的な難題である。資源の供給、発展策略、経済構造(けいざいこうぞう)人的資源(じんてきしげん)状況などの要素(ようそ)から影響を受けるため、全ての国は異なる程度の貧困問題が存在する。国際社会は、極端な貧困を含む、あらゆる形態と側面の貧困を撲滅(ぼくめつ)することが最大の地球規模の課題であり、持続可能な開発のための不可欠な必要条件であると認識する。

しかし、購買力の変動や統計データの利用可能性の影響のため,世界的な貧困状態を計測することは容易ではない。世界銀行のデータで2011年の購買力平価(こうばいりょくへいか)、国際貧困ラインは1日1.9ドルに基づいて試算してみると、1990年の世界の貧困率は36%、18億9500万人だった。この数値は2015年に10%、7億3400万人に減少した。

世界の貧困の原因(げんいん)は何?

1)不平等と周辺化(しゅうへんか)

ジェンダーの不平等、カースト制度、人種による疎外などにより、生産的な生活を送るために必要な資源へのアクセスが制限されています。

2)戦争

特に女性の視点から。暴力や戦争は、社会を停止させます。

3)飢餓と栄養不足と発育不良(はついくふりょう)

食べ物が足りないと、働くための力やエネルギーが不足してしまいます。

4)貧弱(ひんじゃく)医療制度(いりょうせいど)、特に母親と子供のためのシステム

医療制度が弱いの場合は、予防や治療が容易な病気が命取りになることもある。女性にとって、妊娠と出産は死を意味します。

5)浄水にも衛生にもアクセスがないこと

現在、20億人以上の人々が自宅で清潔な水を手に入れることができません。また、汚染された水を大量に使用すると、様々な病気を引き起こす可能性があります。

6)気候変動

気候変動は飢餓を生み、その影響は貧困の連鎖を助長します。

7)無教育(むきょういく)

教育を受けることで、家族が生きていくために必要な仕事やスキルへの道が開けるかもしれません。

8)貧弱なインフラストラクチャー

孤立は機会を制限します。

9)政府のサポート不足(ぶそく)

10)仕事の不足

仕事や生計が成り立たなければ、人々は貧困に直面します。

11)リザーブの不足

現金貯蓄は、紛争や病気による失業を補うことができます。十分な食料貯蔵システムがあれば、干ばつや自然災害で収穫ができないときに役立ちます。

貧困とCovid-19、パンデミックの貧困への影響(えいきょう)

皆ご存知の通り、2020年、世界はかつてないほどのパンデミックに見舞われた。私たちはそれぞれ、習慣を変えることで人生の計画(けいかく)を立て直さなければならなかった。しかし、COVIDが世界の貧困状況(ひんこんじょうきょう)や困っている人たちに与えた影響は何だろう?世界銀行は2020年10月、世界で8800万人から1億1500万人が極貧状態(ごくひんじょうたい)に追い込まれると推定(すいてい)している。COVID-19によって引き起こされる新たな貧困層(ひんこんそう)は、1億1,900万人から1億2,400万人に上ると予想(よそう)される。グラフを見ると、世界の貧困はかつてないほど増加していることがわかる。

幸いなことに、ワクチンの導入(どうにゅう)社会的距離(しゃかいてききょり)尊重(そんちょう)により、世界はこの問題から立ち直りつつあります。しかし、この経済破綻(けいざいはたん)によって苦しむ人たちはまだたくさんいる。この極貧(ごくひん)の状態を解決(かいけつ)する方法はあるのだろうか?

結論(けつろん)

結論として、貧困は現代社会(げんだいしゃかい)の大きな問題であることに変わりはない。資源の大半を利用(りよう)する一部の国に富が集中し、貧しい国の発展(はってん)を許さない。ほとんどの場合、貧困は途上国(とじょうこく)疎外(そがい)し、世界のメカニズムに参加することを許さない。貧困は、私たちが思っている以上に多くの国や人々に影響(えいきょう)を与えている具体的な現実(げんじつ)だ。SDGsのポイントは相互(そうご)にリンクしているので、私たちは世界とその基本的(きほんてき)な権利をすべての人が利用(りよう)できるようにするために協力(きょうりょく)しなければならない。

ソース:

https://www.info-cooperazione.it/2021/01/le-stime-aggiornate-dellimpatto-del-covid-19-sulla-poverta-globale-confermano-uno-scenario-senza-precedenti/#

https://www.brookings.edu/research/extreme-poverty-in-the-time-of-covid-19/

単語リスト

日本語英語 
莫大(ばくだい)寄付(きふ)(きん)large donation of money
慈善(じぜん)団体(だんたい)charity group
過密(かみつ)状態(じょうたい)overcrowding
直面(ちょくめん)するto face (a situation)
(きょう)依存(いぞん)関係(かんけい)codependency
社会(しゃかい)福祉(ふくし)social welfare
原因(げんいん))cause
周辺化(しゅうへんか)peripheralization
発育不良(はついくふりょう)stunted growth
貧弱(ひんじゃく)weak (adj.)
医療制度(いりょうせいど)medical system
無教育(むきょういく)no education
不足(ぶそく)lack
影響(えいきょう)influence
経済構造(けいざいこうぞう)Economic structure
人的資源(じんてきしげん)Human resource
要素(ようそ)element
撲滅(ぼくめつ)Eradication
購買力平価(こうばいりょくへいか)Purchasing power parity
((計画(けいかく)計画(けいかく)))project
極貧状態(ごくひんじょうたい)extreme poverty
貧困層(ひんこんそう)the poor
予想(よそう)expectation
推定(すいてい)estimate
導入(どうにゅう)introduction
社会的距離(しゃかいてききょり)social distance
尊重(そんちょう)respect
経済破綻(けいざいはたん)economic collapse
極貧(ごくひん)extreme poverty
現代社会(げんだいしゃかい)modern society
発展(はってん)development
相互(そうご)reciprocal
基本的な(きほんてき)basic (adj.)
協力(きょうりょく)cooperation