今年8月の中旬、米軍がアフガニスタンから撤退するにつれて、タリバンというイスラム主義組織がアフガニスタン政府を打倒し、政権を握った。それは、世界中に響いたニュースであり、女性をはじめ国民の権利を侵害されることが国際的に懸念され始めた。
テレビやインターネットではアフガニスタンの現状を報道している動画が非常に多く、私たちがその中から特に印象に残った二本を選び、自由会話の授業で見せることにした。一本目は、アフガニスタン人の群衆が国を脱出するために、離陸しようとする飛行機の外側に必死にしがみ付いている動画である。二本目は、一週間前の女性の権利を訴えるデモについての動画である。その二本の動画ではタリバン政権に伴う様々な問題点が見えてきて、特に女性の権利(教育、就業、表現の自由など)と国民の出国の自由という点が話題になっているそうである。
須賀川拓(すかがわ ひろし)記者にインタビューされたタリバンの報道官がこの二つをはじめ、様々な話題について話し、実態が欧米で描写されている状況と大きく違うと言う。
報道官によると、空港に集まったり飛行機にしがみ付いたりする人が経済難民であり、「空港に行って国から逃げ出せ」という根拠のない噂に耳を貸して、パニック状態に陥った人だそうである。実際には、タリバン政府は国民に対して「ここはあなた方の祖国だ。残ってほしい。そして国を再建してほしい」という姿勢をとっていると言った。それに、女性の権利については、「教育もすべての仕事も保障される」と述べた。
しかし、以上の発言はBBC、IRC(International Rescue Committee)、Vice Newsなどに描写されている状況と矛盾している。タリバンが政権を握ってから、国民の宗教的迫害、女性への暴力、女性の権利の侵害などといった問題が起こったそうである。例えば、先週のデモを考えると、やはりアフガニスタン人の女性が危機感を持ち、命にかかる状況だと感じていることが分かる。
実態はどれだろうか。欧米のマスコミの描写とタリバンの報道官の言葉の間、どこに線を引いたらいいのだろうか。こういう問題が、今週授業とグループチャットで取り上げられたが、これからもグループメンバーだけではなく、読者も考えさせることを私たちが願っている。
Group 12 (Giovanni Bettini, Miu Kawagoe, Margherita Melotti, Haruka Nakazawa, Maria Ngozi Obialo, Chiara Peli, Serena Pinto, Amanda Rina)
役立てるリンク:
BBC News, “Afghanistan: Women beaten for demanding their rights” (September 8, 2021) https://www.bbc.com/news/world-asia-58491747
International Rescue Committee (IRC), “What is happening to women and girls in Afghanistan?” (August 25, 2021) https://www.rescue.org/article/what-happening-women-and-girls-afghanistan
単語リスト:
- 中旬 ちゅうじゅん metà (del mese)
- 撤退 てったい ritirata
- 主義組織 しゅぎそしき organizzazione religiosa
- 打倒 だとう rovesciare
- 政権を握る せいけんをにぎる prendere il potere
- 響く ひびく avere risonanza
- 権利 けんり diritti
- 侵害 しんがい violazione
- 懸念 けねん preoccupazione
- 報道 ほうどう reportage
- 群衆 ぐんしゅう folla
- 脱出 だっしゅつ abbandonare, fuggire
- 離陸 りりく decollare
- 必死に ひっしに disperatamente
- しがみ付く しがみつく aggrapparsi
- 訴える うったえる rivendicare
- デモ ~ protesta
- 伴う ともなう implicare, riguardare
- 就業 しゅうぎょう lavoro, impiego
- 報道官 ほうどうかん responsabile stampa
- 実態 じったい reale situazione
- 描写 びょうしゃ descrizione, rappresentazione
- 欧米 おうべい Stati Uniti ed Europa
- 経済難民 けいざいなんみん migranti economici
- 根拠のない こんきょのない senza fondamento
- 噂 うわさ diceria
- 耳を貸す みみをかす prestare orecchio
- 陥る おちいる finire, cadere in
- 祖国 そこく Paese nativo
- 再建 さいけん ricostruire
- 姿勢 しせい posizione, approccio
- 保障 ほしょう garantire
- 発言 はつげん dichiarazione
- 矛盾 むじゅん contraddizione
- 迫害 はくがい persecuzione
- 暴力 ぼうりょく violenza
- 危機感 ききかん senso di pericolo
- 命にかかる いのちにかかる questione di vita o di morte
- 線を引く せんをひく tracciare una linea
19 10月 2021 at 22:37
皆さん、こんばんは! このような興味深い最新の記事を書いてくれてありがとう。嘘がどこで終わり、現実がどこから始まるのかを理解するのは難しい。メディアとテレビは嘘をつくのが得意だが、アフガニスタンの状況は世界的な注目を必要としている。タリバンを非常識だと考えるのは簡単だが、実際にはそれよりもはるかに複雑だ。タリバンは恐れの国を構築しました。カブール空港と絶望的な母親が子供たちをアメリカ兵に与えている画像を見たとき、信じたくなかった。私は女性、子供、そして彼らが直面する不確かな未来について考えて いる。 私たちは何かをしなければならない! 大国は何かをする必要があるよ!それはすべてとても複雑で難しい…
グループ12の記事は私に考えさせた、ありがとう! 次は楽しみしている!
20 10月 2021 at 11:47
この記事を書いてくださってありがとうございます。大事な話題です。
飛行機から人が落ちてくる映像は本当に有名で、私もすでに見たことがありましたが、他のビデオ知りませんでした。
「実物はどれだろうか」と聞きましたね。
確かにメディアは誤解を招くこともありますが、人々の怒りや絶望感は本物です。これは一番大切なことだと思います。
グループのメンバーやクラスの生徒たちの個人的な意見を知りたいです。できればそれについて話しましょう!
21 10月 2021 at 15:39
この記事は非常に興味深く、現在の重要なトピックです。 皆さんが尋ねる質問は私が自分自身に尋ねたものと同じです:本当に真実は何ですか? 残念ながら、周りにある偽のニュースや大量の矛盾するニュースから推測することは非常に困難です。唯一の確かなことは、女性がより苦しんでいるということです。
タリバンがアフガニスタンを征服したとき、私はそのニュースを注意深くフォローしようとしましたが、女性の権利を扱う協会である「Pangeaonlus」のページのニュースをフォローするのは非常に興味深いことでした。 カブルの女性たちの恐ろしい言葉を読んだことで、私は多くの苦しみを味わいました。彼らがなんとか国外に出られたことを嬉しく思いますが、やるべきことはまだたくさんあり、助けてくれる女性もたくさんいます。
22 10月 2021 at 0:45
いろいろと考えさせられる記事ですね。
ここ数日、アフガニスタンからまた悪いニュースが入ってきました。18歳のバレーボール選手Majbin Hakimは、ベールを被らずにプレーしていたために斬首されました。
今の時代、このような事件はあってはならないことだが、アフガニスタンにはもはや人間性という概念は存在しない。そして何よりも、女性はこの20年間に何とか手に入れた権利を突然失ってしまった。私たちは真の人道的危機に直面しています。
23 10月 2021 at 11:57
投稿を書いてくださってありがとうございます!最近、このトピックについて話すことはとても重要だと思います。このような悲しい話を聞くと、心が痛みます。グループの皆さんは、この憎しみの理由は何だと思いますか?その上、この記事を読んで、メディアは常に真実を伝えているわけではないことに気づきました。面白いですね!次の投稿を楽しみにしています。
24 10月 2021 at 16:41
記事だけではなく、おすすめしたビデオもとても興味深いでした。現在の問題で、大事な話題です。日常生活の忙しさのせいで、このような問題に考えなくて、忘れてしまうリスクがあります。私たちの国の問題ではなくても、人間権利の問題だったら皆さんの問題になります。
この記事は本当に考えさせました。書いてくれてありがとうございました。