メンバー紹介 :

      ・ヴァレンティーナ(ヴァレ): グループの(不器用な)責任者。

  オノマトペ マニアックで、何事にもくよくよ悩むのが特技です。

 ・ピエトロ: 仏教の興味を通じて、悟りを試みる人間です。

 ・フェデリコ(フェデ): ただ単に日本語がペラペラ話せるようになりたい!っていうやつです。

・サラ: Jpop、少年漫画、アニメなどに夢中になっているオタクです。

 ・もえか: 最近運動不足で悩んでいるkpopオタクです。

 ・ひなこ: TikTokにハマっている女子大生(JD)です。

第1週―「言語教育とは?」という疑問からスタート

ヴァレ:  そもそも「言語教育」ってどういうことなのかな、、、? という根本的な疑問から始まりました。このような幅広く、深みのあるテーマをどうやって扱えばいいのか、教育とは「教える」活動だけなのか、もうしくは「学ぶ」活動と密接な関係があり、一緒に取り上げる必要があるのか、というふうに私たちの頭の中で問題点が次々と出てきました。また、「教育」は学校でのみ行うものなのか、独学という形でもなんとなく教育を実施できるのかというような点を踏まえて、ミーティングや授業の会話で議論してきました。積極的にディスカッションの司会を務めたのは、常に教育に携わる教師の方々ではなく、その教育を受ける学生たちでした。そして、言葉の教育という特別なフレームの中で。

言葉は人間特有の技能で、生まれた頃から外の環境で話されている言葉を聞くことで、言葉の学びが起きます。なので、教育は意識的に行う活動である一方、無意識的な要素も含まれていると言えます。子供は学校に通い始める前に大量の情報を取り入れ、様々な言葉や表現が頭の中で浮かび出します。学校では、それまで積んできた知識を意識し、その整理をします。このように、本格的な言語教育が始まります。外国語を学ぶ前に、母語の基本を学んでいきます。それは、第一言語教育に当たります。そして、自分の視野を広げるために、外国語の勉強もします。それは、第二言語教育ということです。では、学生にとって、その言語教育のもっとも重要な役割や最終的な目的はなんでしょうか。第二言語教育は異文化間コミュニケーションを取るための手段、ツールであることに違いありません。しかし、「他者理解」は「自己理解」や「自己表現」という前提に基づいているので、他人に何かを伝え、教える前に、その何かを自分に教えるものです。ということで、第一歩として、まず「自分の言葉」を見つけましょう。

第2週―「言葉」だけじゃない!ー障害者向けの言語教育

ピエトロ: 第一週に「言語教育」ということの定義について考えた後、その言語教育の「目的」を見つけるように、グループでディスカッションを進めました。特に、グループのメンバーがそれぞれの個人的な経験を振り返ることによって、外国語を勉強し始めたきっかけはかなり違うことが明らかになりました。それにもかかわらず、「取得した知識を出来るだけ生かしたい!」という願いは、みんなに共通する「目的」だと言えます。では、「その知識を培うのは、どうしてそんなに大切なのだろう」とお互いに尋ね合って、「それは、相手と理解できるようになるためです」という答えにグループは完全に賛成しました。このように、言語教育の基礎的な目的を考え続けて、「相互理解」という概念は何回も表れました。でも、この「相互理解」の本当の意味は、ただ「外国語を学ぶ」ではないことに気が付きました:耳が聞こえないとか、自分の気持ちを声に出せないなどのような障害を持っている人を考えると、コミュニケーションは「言葉」だけではなく、別のコミュニケーションの形も存在するという事実は、「相互理解」の普遍性の最も明確な証拠です。そのため、「言語教育の目標は、何ですか?」という元の質問に戻ると、「言葉」という特別なツールをはじめ、言葉を超えた非言語的なコミュニケーションの場合でも、「相互理解を試みる」という答えにたどり着きました。このディスカッションは自分だけでなく、グループ仲間も自己成長の機会だったと感じました。このプロジェクトのおかげで、自分の語学の勉強に対してのアプローチは全く変わってきたと思います。

第3週―エラー分析と自己評価の大切さ―間違いのが怖くない!

フェデ: 第3週のグループのZoomミーティングでは間違いやエラー、自己評価と失敗の役割について話しました。最初はかく単語の意味の違いはあまりわかりませんでしたが、グループのメンバーと一緒に記事を読んで、ディスカッションすることによって、少しずつ分かるようになりました。間違いとエラーは同じだと思いましたが、本当は違うニュアンスがあるらしいです。「間違い」とは一回の誤り、その時に間違えてしまった行為や判断などを指すのに対して、エラーは何回も繰り返してしまい、より規則的なものだと見なされています。エラーに気がつかないと、何回も失敗してしまうので、他人からの指摘が必要だと言えます。それにしても、間違えたときは、誰でも「どうして間違えたのか、、、どうして失敗したのか、、、」などというふうに自問自答をしないではいられないと思います。それは、誰でも失敗のが怖いからです。では、「どのようにその怖い気持ちを乗り越えられるのか」という疑問に対して、皆さんと一緒に答えを探してみました。「そもそも失敗しないと、なかなか上達できない!」という結論でした。だから、失敗の先には成長した「自分」があるでしょう。現在の社会では言語教育でも、仕事環境でも、失敗することが多いのですが、皆さんは落ち込むことなく、その失敗の理由を探って、理解して、そしてだんだん直してみてください。そうすると、おそらく二度と同じような失敗をすることはないでしょう。

第4週―「多文化」と「多言語」に向かって

サラ: 第4週のディスカッションは、特に多言語(マルチリンガリズム)、多文化(マルチ・カルチュラリズム)、「ハーフ」の定義に集中しました。「ハーフ」の代わりに、「ミックス」も「ダブル」もよく使われている呼称だとわかりました。また、「日系人」、「帰国子女」、「在日外国人」という表現もあります。しかし、この全部は「移動する子供」だと言えるのではないでしょうか。「移動する子供」というのは両親によって、移動させられている子供という意味です。外国にルーツがあるこのような子供達を支える活動が必要だという点に、皆さんが賛成しました。それは、複雑な背景がある子供は、簡単にいじめや差別的な扱い、ステレオタイプに遭うことが多いからです。外の環境は非常に大事なのです。「自己感覚」や「自己評価」、そして自分の言語能力の意識も、社会と他者とのインターアクションから強い影響を受けてしまうのは仕方がないです。やはり、「自分が何者だ?」、そして「自分探しの旅」、「人によって人となる」という大切なコンセプトについて考えさせる教育が理想的なのではないかと私たちは思いました。

この興味深いトピックのおかげで様々な新しいことを発見することが出来ました。多言語、多文化、そしてハーフについて話し合ったおかげで、その言葉の意味を初め、日本に移動した外国人の状況や日常生活の困難ももう少し理解できたような気がしました。日本には様々な文化的特徴を有する民族がいますが,お互いの多様性を尊重しながら平和に生きていける社会になれればと願います。異なる言語、宗教、慣習などの違う社会的背景を持つ外国人が、住んでいるところにも、日常生活にも馴染ませるような言語教育が望ましいでしょう。その上、差別やアンフェアな扱いを受けないように、日本語を学ぶ機会の提供やサポートも求められます。

私は、言語を学ぶ際にどうしてこのような勉強も大切なのか、と聞かれると、「言語は文化と繋がっているからです」と答えます。現代は、経済的な、政治的な原因などで他の国に移動することが多いです。その結果、周りの環境にも、住んでいる場所にも影響を受けることは受けますが、同時に異なる文化や母語を持っているので、移動した人は他者などにも影響を与えます。やはり、多くの言語、文化と向き合うと、自分のアイデンティティーも揺れてしまうので、多文化、多言語、アイデンティティーの関係に関してもっと深く考える必要があるのかなと、私たちは感じました。

第5週―言語の不思議な世界―慣用句やオノマトペ

もえか:  第5週には「日本語の不思議」と題して、主にオノマトペや慣用句について話しました。まず、慣用句とは習慣として長い間広く使われてきた言葉のことを指します。慣用句の成り立ちを詳しくみてみると、そこには慣用句が生まれた背景(その国の文化や習慣)が存在していることが分かります。オノマトペもまた、その国の時代や環境の中で生まれた言葉の種類の一つであり、特に日本語は、オノマトペが非常に発達している言語とされています。オノマトペには視覚、触覚、嗅覚など、いろいろな感覚が入っています。その点で、オノマトペは自分の感情を相手にわかりやすく伝えることに長けた表現といえ、オノマトペの活用は、円滑なコミュニケーションを実現する可能性を秘めているといえます。今回のテーマで、私たちは日本語の慣用句はもちろん、イタリアの慣用句についても話しました。その中で、興味深い表現が多く存在していることが分かり、言葉の由来に関心を向けるきっかけになりました。慣用句を学ぶことは、言葉そのものを学ぶだけでなく、その国の文化を学ぶきっかけにもなるということを体感することができました。また、オノマトペは日本語学習者にとって、習得するのは少々難しいものではありますが、オノマトペを積極的に使うことで、日本語によるハイレベルなコミュニケーションが実現できるということを話しました。併せて、オノマトペは喜怒哀楽、自身の感覚をより正確に伝えることができる表現であるため、医療現場での使用など、さまざまな場面での活用が期待できるという意見も出ました。今回のテーマの話し合いによって、日本語、さらに言葉の面白さを再発見することができた時間でした。

第6週―物語を通して様々な学びができる

ヴァレ: 不思議な言葉って、日常会話の中でもたまに耳にしますが、昔話や物語の世界に入ってみると、特別な表現や言葉遣いが山ほど出てきます。特に、子供向けの話だと、言葉の意味よりもその響きが強調され、読むときは文章のリズムをたっぷり楽しめます。物語では言葉をもっと自由に使えるので、「間違った」文法や普段はなかなかセットにならない単語にも出会うことが多いです。必ずしも意味に縛られていないからこそ、言葉が持っている神秘的な力を一段と感じられます。このように、子供だけでなく、大人もその力に惹かれ、子供の頃の気持ちを思い出すことができます。年齢を問わず、我々の発想力を生かせる物語を読むことで、より楽しい言葉の学びができると言えます。文章の朗読を流し、快い聴解の練習もできれば、辞書を引かないで物語を次から次へと読みまくるというふうに「多読」の練習もできます。また、文章を脚本にして、演技までできるので、好きなように学んでいけるでしょう。

日本の物語について調べてみたら、伝統的な話のほか、古代ギリシャの有名な作家であったイソップの物語もかなり人気があると知って、驚きました。江戸時代頃に、西洋の読み物が日本に数多く紹介され、特にイソップの物語が子供にとってもわかりやすく明確な教訓を含んでいるため、高く評価されたそうです。物語に描かれている動物たちの冒険を日本語で読んで、言葉の不思議な世界になお一層夢中になってしまいました。

第7週―これからの言語教育ってどうなるのか?

ひなこ: 第7週目には「コロナ時代での言語教育」「これからの言語教育」と題し、主にオンライン授業のメリット・デメリット、これからの言語教育について話しました。初めにオンライン授業のメリットです。1つ目は、「時間の節約」ができることです。オンライン授業は自宅で受けられるため、通学にかかる時間が0になり、通学費も抑えられます。2つ目は「授業録画等の様々な機能がある」ことです。生徒は、授業録画が配布されるため復習しやすく、効率よく勉学に励むことが出来ます。次にオンライン授業のデメリットです。1つ目は、「健康に悪影響を及ぼす」ことです。オンライン授業は、スマートフォンやタブレット、PCを利用した授業形式であるため、長時間使用していると、液晶画面から発せられるブルーライト によって目が疲れることもあります。2つ目は、「集中力が続かない」ことです。スマートフォンやタブレットがあれば学習できるというオンライン授業は、使用する端末の都合上、インターネットやアプリを自由に触れることができる誘惑が常につきまといます。上記以外にもたくさんのメリット・デメリットについて話しました。また、オンライン授業はこれからの言語教育や教育に影響が及ぶと思います。そして、新型コロナウイルスの影響で大きく変わった大学生活。時間と場所を問わずに学ぶことができるオンライン授業。しかし今後の言語教育、教育において「4つのC=Creativity,CriticalThinking,Communication,Collaboration」が、必要な力だという意見も出ました。

私はバーチャル留学を通して、オンライン授業を皆さんと受けることができ、自然に「4つのC」が身についたと思っています。それは、私だけでなく皆さんも同じです。ぜひ、バーチャル留学の経験を活かして、広がる可能性・広がる学び・広がる世界を一緒に作っていきましょう。

12グループ

Valentina Sernicola

Pietro Stefani

Federico Scalzotto

Sara Silingardi

小川ひなこ

斎藤もえか