ザウッリーニ・チェチーリア

伊豆半島では冬になっていくと 暁がきれいになる。日が続けば続くほど日の出
での時間は速くなる。年の瀬なのに、暖かくて太陽が肌に感じられて気持ちがいい。陽射しは強すぎないから肌が日焼けしなくて健康的な色になっている。
ここは自然が多いから、空気が新鮮だ。特に朝は。朝には、優しい風が、海から吹き、潮
の匂いを嗅ぐ。空がまだ黒く、段々青くなっていく。
空気を吸って、息を吐いて、にっこり笑う。
「やっぱり、今朝もきれいじゃん」
老人は言いながら、風景を見渡す。おじいさんの愛しい 畑、 緑の芝草の丘を見
る。ベランダからお爺さんはそれらを見る。まだ、早いから、おじいさんの声の以外に、鳥の鳴き声と畑が風にそよいでいるのが聞こえる。
「よいしょ」
お爺さんがよぼよぼと言って座っている。ベランダにあるのは、古い揺り椅子だけだ。そこに、毎朝と同じように座って、静かに太陽が昇るのを大切にを眺める。

ゆるやかな丘を見ていると、遠くに不思議な姿を見つけた。
「なんじゃ、あれは?」
老人は眉をひそめ、そう言った。影が動いた。違う、走っているそうだ。
「 珍しいのう」
またお爺さんは意見を言ううちに、チェアの端に腰を掛け、きっとはっきり見るために。段々近づいてきて、その影が少年だと分かった。
すぐお爺さんは席でくつろぐ。
「子供か?珍しいのぉ」
お爺さんがうふふと笑いながら、そう言う。チェアに揺られながら少年の姿を目で追う。はっきりと見えないけど、お爺さんは自分の周りに起きることを眺めることが好きだ。
初めはおじいさんが気付かなかったけど、近くのホテルから他の人が来るようだ。少年より背が高い、男性らしい。
「あれ、今度は誰だのう?」
老人は独り言を言い続ける。普段は、お爺さんの家の近くに誰もいなかったけど、今朝は二人が来た。

少年は先に散歩している大人を見る。大人も少年もお互いの方向に行くから確かに合うけど、話すのかな。
二人は目の前に近づき、本当に話を始める。
お爺さんはニコニコし、男性は三十代の初め、少年は十歳ぐらいだそうだので、面白そうだと思っている。お爺さんの十歳だった時伊豆半島に引っ越して、おじさんの三十代の初めの時妻を合った。

お年寄りは懐かしく昔の思い出が心に浮かぶ。子供の時は伊豆が好きじゃなかった。冬に祖父母の家に引っ越して、出身の友達は皆に別れを言わなきゃなかった。初めは大変だったけど、新しい小学校を始め、春になってきて、伊豆に惚れた。伊豆の人や伊豆の景色は素敵だと思っていた。
命を過ごして様々なところに旅行し、どこでも行ったら伊豆のところ恋しくなったので、二十代の終わりに伊豆に生活したいと思っていた。
老人が三十代の初めの時、初めて妻に合った。その時、彼女は伊豆に祖父母の家の前に引っ越したばかりだった。
お爺さんはその思い出を考えて、 涙が一筋法を流れる。お年寄りの視線は愛しい畑に注ぐ。彼女を初めて見たときに、彼女に引っ張られる感じがした。初めて話したとき「歓迎
かんげい」の言葉を考えさせられた。彼女がどんどん知り合っていくと、恋愛した。
「また元気じゃんね~」
お爺さんは畑に言う。結婚した後に、お爺さんは自分達の家を建て始め、妻は畑を
預かった。妻が丹念に畑で働いて畑は今まで新鮮な果物と野菜を育ててくれた。

二人は結婚してから常に一緒にいて、命を過ごした。
妻は六十代の時病気になったのに、毎朝畑を手入れした。六十代の終わりに妻は静かに亡くなった。その時からお爺さんは毎朝ベランダで 暁を観て、妻の思い出を大切に胸に秘めている。
「今日、五十年前に結婚したじゃんねー」
お爺さんはそう言いながら、思わず左手の結婚指輪をもてあそんでいる。

男性と少年の姿に目を戻す。二人が別の道に行くと、お爺さんの左側に白い犬がいる。