ジョエーレ・グラニャニエッロ

ー伊豆の夏は大変。休暇中だけど、休めないー
真夜中にビールを飲みながら、そう思った。民宿の動物の鳴き声が聞こえた。この民宿が農家のであった。毎年工場で働く人はここに来て、リラックスできる。空気が涼しいし、ゆるやかな丘があるし、都市で見られない動物がいるから。
ーでもやっぱり、自然がいいな。この同僚が勧めてくれた場所は最高ー
開けた窓から心地良い(ここちよい)風が入った。安い風を感じて、農家の言葉を思い出した。

「今夜嵐(あらし)が来るぜ。出ない方がいいよ」
ーうそつきー
と思うと急に丘のてっぺんにかみなりが来た。手からビールが落ちて、グラスが割れた。それを無視して、もう一回丘を見た。何がいるそうだった。落ち着いた後、気になり、調べに行った。ホテルの植えこみを抜けると、そこはもう丘のふもとになってい る。どこからでも登れるゆるい坂だ。登り出した。途中で子供の声と犬のほほえる音が聞こえた。あわてて上がって、てっぺんにたどりついた。変な服を着ている子供がいった。迷子になったような気がした。

「坊や(ぼうや)、大丈夫?どうしてここにいる?」
と聞いて、子供が不思議に答えた。

「我が犬逃げき!」(私の犬が逃げた)
「・・・探すよ」
その話し方なのだろう。桃山時代(ももやま)から人ではない?ステテコみたいなズボンを履いているけど、もっと古い。そして、烏帽子(えぼし)をかぶって、着物の形のシャツを着て、草鞋(わらじ)をはいていた。本当に 1600 年から来たみたい。

「どんな犬を持っている?」
「くもの色の犬なり。名はジロウ」(くもの色の犬だ。名前はジロウ)
子供の言葉は古いことは古いけれど、わかる。どうしてだろう。そう考える間、ジロウを探し始めた。大声で犬の名前を呼んだり、周りを見たりした。夜だから真っ暗であった。丘を降りるのは難しかった。砂利の上に歩きにくいでした。子供が心配しているから時々バランスを崩した(くずした)。でも、ゆっくり続いていて、民宿に近づいた。民宿の動物が見られていた。そんなに見られて、子供がジロウを見て、走り出した。

「坊や、気をつけて!危ないよ」
と言っても、もう遅かった。子供が転びそうだ。逆に、白い犬が早く来て、子供を助かった。

「ジロウ!」
二人で叫んだ(さけんだ)。子供は犬をハッグして、犬が子供の顔なめた。私も笑われた。だんだんもっとうるさく笑った。涙も出た。どうしてそんなに嬉しいのかと思いった。
でも、この幸せな気持ちを久しぶりに感じた。こんな無意味なことでこれほど幸せを感じたのはいつであったか。
急にかみなりが来た。
ーへっ、また?!今何が起こるかー

返事は子供と犬が消えたことであった。まだ顔に涙が流れていた。何もできなかった。ショックのため、少しあそこに立った。落ち着いた後、民宿に戻った。部屋に入っている間に、また安い風を感じた。ビールのガラスを拾って捨てた。ベッドに横たわった。目を閉じた間、そんな幸せをまた感じられる日が来るのだろうかと思った。そして、眠った。
終わり

単語
民宿 みんしゅく private home providing lodging for travellers
農家 のうか farmer
ゆるやか(な) gentle
勧める すすめる to recommend
心地良い ここちよい pleasurable
安い やすい light
嵐 あらし storm
雷 かみなり thunder
植え込み うえこみ planted things
抜ける ぬく to surpass
ふもと foot of a mountain/hill
落ち着く おちつく to calm down
たどりつく to arrive after a struggle
坊や ぼうや boy
桃山時代 ももやま じだい Momoyama Period 1568-1600
ステテコ long bermuda pants, popular summer clothing
烏帽子 えぼし old Japanese hat
草鞋 わらじ wood sandals
バランスを崩す くずす to lose balance
叫ぶ さけぶ to shout
なめる to lick
横たえる よこ to lay down