なぜ遺産を保護することが住み続けられるまちにするために必要なのだろうか。これは直接、住みやすい町を作っていくことに関係がないように思われます。しかし、長期的に、間接的に見ると地域の文化を守っていくことが私たちにとって大切なことだと分かるでしょう。

地域の文化を残すことはなぜ大切なのか考えたことはありますか?私がこのテーマを決めたときに、数人のメンバーにののテーマはSDGs11の”住み続けられるまちづくりを”に関係がないのではないかと指摘されました。これはSDGs11-4を視野に入れているのですが、確かに、よく考えてみると文化・自然遺産を保護していくことが直接私たちの暮らしを住みやすくしているわけではありません。ではなぜ、遺産保護を訴えているのでしょうか。

 自分にとっての地域を見直してもらうために、どんな存在なのかを考えてもらうためにアンケートを実施しました。結果は、自分の地域・国の伝統行事・遺産を知っていて、参加をしたことがある人は、その行事・遺産を好きで誇りを持っている傾向があることがわかりました。歴史や内容を見ると、多くが、宗教や水、食など文化と関わっています。行事・遺産が地域の繋がりだけでなく、他地域とも繋がる要素となると思っている人が多数いました。しかし、地元を離れた場合に行事・遺産のために帰郷しようと思っている人は50%しかいませんでした。そのため、少数意見の行事・遺産が役に立つわけではないと回答した意見も考えなければいけないと思いました。地域に独自の行事・遺産がある場合でも参加したことがない、内容もよく知らないという人がなぜいるのかというと、近代に入り、特に最近ではインターネットの発達が顕著なため若い人たちを中心に人とのつながり方に変化があるのため、興味がわかないという人も少なくないのではないだろうか。また、回答の中に観光者が多く訪れているという意見がありましたが、観光化することが本当にその地域のために立っているのか考える必要はあると思います。その行事の内容を調べただけの情報でなく自分の言葉で語ることができる人は、自分の住んでいる街に魅力や誇りを感じやすくなります。このことが、どのように住み続けられるまちに役に立つのか、今回のアンケートを基に自分なりに考えてみました。前述でも述べましたが、行事・遺産は自然や宗教などと関わっていることが多くあります。参加・見学する、伝承していくことが自然や人を守っていくことにも繋がるかもしれません。それが、歴史を知ることにつながり、行事・遺産の歴史を知ることでその起源となった災害を知ることになるかもしれません。これを知ることができたなら、災害についての準備に繋がります(SDGs11-b)。人の繋がりが高い町は災害後の復興が早いともいわれています。現在、農村部から都市部へ移り住む人々は増え続けています。豊かで便利な生活は都会でしかできないことで、絶対に良いことなのでしょうか。自分のまちに魅力を感じることができると都市部に移り住む人の抑制ができる可能性があります。そうすると、スラムの拡大防止、環境汚染防止に少しでも役に立つかもしれません。魅力を感じるための一つとして行事・遺産が挙げられます。そう考えると、自分のために行う行為が、まちや国、世界など周りのためになるかもしれないですね。

 自分の地域の遺産や行事についてぜひ考えてみて、友達や家族など人と話のタネにしてみてください。

≪単語リスト≫

日本語ひらがな英語
遺産いさんheritage
長期的ちょうきてきlong term
直接敵ちょくせつてきdirectly
間接的かんせつてきindirect
指摘してきpoint out
視野しやview
訴えうったえsay
誇りほこりpride
傾向けいこうtend
要素ようそelement
帰郷ききょうhomecoming
顕著けんちょnoticeable
起源きげんorigin
復興ふっこうreconstruction