古代からとだえもなくガレー船が航海した、ユーラシアとアフリカという二つの大きな大陸をいろいろな意味で「繋ぐ」海、地中海。様々な文明の誕生、繁盛、そしてその衰えを見届けた海で、沿岸国の交易の現場として世界中の最大な市場と肩を並べるほど活気で、盛んな海上交通を発揮しています。国々の文化・アイデンティティに足跡を残した地中海は、古代ローマ人が「我らが海」という名付けをしていたそうです。

地中海の重要性は過去、現代を問わず持続してきました。食料や酸素を供給するだけではなくて、気候の調節にも大事な役割を果たして、生物多様性の非常に高い生態系を宿して、各国の観光業の収入にも大きな影響を及ぼします。まさに貴重で掛けがえのない資源ともいえるでしょう。しかし、この海は、世界中の海洋とともに歴史的な危機を迎えています。

海は工場廃物、廃水、農薬、石油、プラスチックで溢れています。いうまでもなく、人間活動によるものです。乱獲や密漁の影響で全滅の間際にいる魚類は数えきれないほどです。気候変動は海水酸性化という現象を起こして、生態系のバランスを崩して絶滅危惧種を増やしつつあります。地球温暖化によるの海面上昇は観光地の小島や港町や沿岸町を脅かします。ただでさえ悲惨な光景なんですが、環境学者の見込みを信じるのなら、絶望せざるを得なくなります。

というわけで、70年代から「地中海汚染防止条約」、略して「バルセロナ条約」を 23ヵ国が採択して、正式に地中海保護に取り組むようにと意思表示しました。めぼしは2020年までに地中海の10%の生態系や海水の絶対確保ということになっています。

結局のところ、沿岸国は地中海危機に直面して弛んだわけではなかったようです。と言いたいところですが、事実は複雑で異なります。各国の報告によると、確保するエリアは地中海の9,68%を占めるそうです。だが実際のところ、現在確保されている地中海の分は、1、27%弱にすぎません。なお、包括的な確保の場合は0、03%だけです。生態系を重視するエリア、用語「海洋聖域」の成立を唱える学者がいても、計画はなかなかははかどることがなくて、クジラ目専用のたった一つの「海洋聖域」成立で済んだようです。

ここまで来たら、はっきりするのは各国の無関心でしょう。一方で条約を採択したり国際協定を結んだりしていれば、他方で対策がなかなか進まない状態でもとても平気でいられるという様子です。政治家は環境危機の存在感を薄く感じるのを一般的な前提とすれば、国際条約も法律上拘束力があまりなくて効果を期待できないと私は個人的に思います。環境意識をどうすれば確実に広めるのでしょうか?法的な道具は国際条約に他にないでしょうか?

非常に難しい問題ですが、皆さんの感想や意見を楽しみにしています!!